制御工学における基礎知識学習システム

はじめにお読みください。

制御系の設計


解析方法から実際の設計の話になります

実際に設計を行うには、まず制御入力にステップ状のものをいれてやり、閉ループステップ応答の形状を指定して、システムを安定に導いたり、応答の改善を行いますが、このときに考えられる方法のもっともポピュラーな方法としてPID制御器 (比例制御器(Proportional), 積分制御器(Integral), 微分制御器(Differential) controller)があります。これを使用して設計する方法としてジグラー・ニコルス(Ziegler-Nichols)の方法やマーチン(J. Martin)の方法などが存在し、時間領域での設計法とよばれています。

これに対して周波数領域からの設計法とよばれるものがあります。伝達関数G(s)から求めることのできる特性根があり、これは応答特性と深く関連しています。対象の周波数特性を複素平面上に描き、周波数を-からへと変化させるナイキスト(Nyquist)線図があります。この方法は周波数を0〜としたときのナイキスト軌跡が点-1+jを左側にみて描くような軌跡になるならば、その制御系なら安定となるというものでナイキストの安定判別法とよばれています。

利得|G(j)|の対数20log10|G(j)|および位相角を縦軸とし、角周波数の対数を横軸として示す図をボードBode線図といいます。この図は安定性などを見て取ることができ、設計で用いられます。

また、種々の外乱により被制御量とその設定値の間には偏差が生じます。これを打ち消すように制御系を働かし、設定値を変化させ追従性の良否をみるものをサーボ問題とよびます。

設定値は一定で外乱による偏差を抑えることを問題にするのをレギュレーター問題といいます。