制御工学における基礎知識学習システム

はじめにお読みください。 

制御について


自動制御とは・・・

一般に、制御とは着目している制御対象があらかじめ与えられた望ましい状態に適合するように適当な操作を加えることであると定義されている。制御操作を人間が行う場合、これを手動制御といい、完全に装置のみで行われる制御を自動制御という。

自動制御を(1)定性的自動制御と(2)定量的自動制御と分類することができる。前者は制御量の状態のみを問題にするものであって、エスカレータの操作のようにあらかじめギヤによって定められた速度で動き、量的な値を問題にしていない。このような制御を自動的に行わせる技術を開ループ制御という。これに対して、定量的自動制御系では、単に制御量の状態だけでなく量的な値までも問題にする制御系である。このような定量的制御を実現する技術をフィードバック制御という。この二つの制御技術を自動車の運転を例にとり、人間はどのように行っているのか考えてみよう。人間が車を運転するとき、前後方を監視し、ハンドル操作、アクセルまたはブレーキ操作によって、前方の車との適切な車間距離を保ちながら、流れに沿って運転をしている。このように周囲に状況を監視しながら制御を行うことをフィードバック制御という。通常は、フィードバック制御を行うときに、フィードバック自動制御のことを考える。

フィードバック制御系の分類化

制御量がどんな物理量であるかによって、通常次のように分類されている。

1)サーボ制御系
 制御量が位置もしくは角度である制御系で、ロボットの腕、工作機械に用いられている制御などはこの分類の代表的な例である。

2)プロセス制御系
 制御量として、流量、液面、pH、湿度、温度などの化学反応プロセスで問題となる物理量を制御している。

3)自動調整系
 制御量が速度、トルク、電圧、力、周波数など前項と比較して時間的に速い現象を制御している。