制御工学における基礎知識学習システム


2次元システムのボード線図

一般的に制御システムの周波数応答は過渡状態での動作を表していますが、周波数と過渡応答の関係は解析的に理解することが難しいです。そこで比較的理解しやすい2次システムにおけるボード線図について説明します。

2次系のシステムは一般的に次のような伝達関数で表されます。

もし減衰係数が0より大きく、かつ1未満であればシステムの過渡特性は振動的です。減衰係数が1のときシステムは臨界減衰システムと呼びます。また減衰係数が1以上のときの状態をオバーダンピングと呼び、応答波形は非振動的です。減衰係数が0のときの応答は振動的で、減衰されず永遠に発振します。

2次元システムの周波数とゲインの関係は

となります。特に

となります。低周波領域では漸近的に0dBです。一方高周波領域では-40dB/decの角度の直線が漸近線となります。そして低周波領域と高周波領域での漸近線が交差するする周波数は、システムの自然周波数にあたります。この2つの漸近線は減衰定数に依存しません。しかしながら自然周波数近傍では共振が起こり、その大きさが減衰定数と依存しています。なお、これらの漸近線によるボード線図では必ず誤差が生じます。また、

の時にゲインが最大になります。この時の周波数を「共振周波数」と呼びます。なお、

を超えた場合は共振は起こりません。

また、周波数と位相の関係は

となり、これに関しては自然周波数と減衰定数の両方が影響します。特に

となります。また位相角の曲線は-90度を変極点として、点対称のような形になります。なお、位相曲線を簡単に描く方法はありません。