制御工学における基礎知識学習システム


特異値軌跡

特異値軌跡は多入力・多出力システムに対するボード線図の拡張です。単入力・単出力システムの特異値軌跡はボード線図のゲインと同一のものになります。そしてこの軌跡はシステムのロバスト性の解析における、ひとつの指標として用いられます。

このグラフは横軸に対数で周波数を、縦軸に特異値をとり、その関係について表したものになっています。

一般的なロバスト制御性設計では、設計要求の周波数帯域の違いを見越して特異値軌跡を整形します。周波数領域で評価し設計に反映する方法として、このようなゲイン特性を整形することをループ整形と呼びます。

参照:ボード線図

参考文献
細江繁幸 荒木光彦「制御系設計-H∞制御とその応用-」朝倉書店(1994)